「回数券を買ってください」。
この一言を新規の患者さんに言うのは、なかなか勇気がいることです。初めて来院した人に数万円の先払いを求める。患者さんの立場からすると「まだ効果が分からないのに」「この治療院が自分に合うかも分からないのに」という不安があります。
回数券は治療院のリピート施策として長く使われてきました。しかし、先払いの心理的ハードルは高く、使い切った後の離脱も起きやすい仕組みです。
この記事では、回数券に頼らないリピート施策として「来店ポイント制度」を紹介します。回数券との併用も可能です。
回数券の限界
先払いの心理的ハードル
回数券は「10回分を先に払うと1回分無料」のような仕組みです。単価5,000円の施術なら50,000円の一括払い。
常連の患者さんには「どうせ通うから」と買ってもらえますが、新規の患者さんにとっては大きなハードルです。「まずは数回通って効果を確かめたい」という段階の患者さんに回数券を勧めると、逆に「売り込まれた」という印象を与えてしまう場合があります。
使い切ったら離脱するパターン
回数券を使い切った瞬間は、離脱が起きやすいタイミングです。「回数券があるから通っていた」人にとって、回数券が切れると「また5万円払う?」という判断を迫られます。
「通う動機が回数券に依存している」状態は、治療の必要性ではなくコスト計算で来院判断がなされているということです。これは治療院にとっても患者さんにとっても理想的ではありません。
管理の手間
紙の回数券は紛失リスクがあり、残回数の確認にも手間がかかります。複数の施術メニューに対して別々の回数券を用意すると、管理がさらに複雑になります。
ポイント制度という選択肢
初回から始められる
ポイント制度は、初回来院の瞬間からポイントが貯まり始めます。先払い不要。「通うほど得になる」仕組みが、初回から自然に働きます。
新規の患者さんに「会員登録するとポイントが貯まります」と案内するだけです。金額的なコミットメントは求めません。回数券を勧めるよりはるかに自然な導線です。
来院データが自動蓄積
ポイント制度をデジタルで運用すると、来院のたびにデータが蓄積されます。
この患者さんは月に何回来ているか。最後の来院はいつか。保険診療と自費診療の比率はどうか。来院間隔が空き始めていないか。
紙の回数券ではこれらのデータは一切分かりません。デジタルのポイント制度なら自動的に記録されます。
紹介との連動
「知り合いを紹介したら5ポイント」のように設定すれば、紹介のインセンティブがポイントに統合されます。紹介カードとポイントカードが別々に存在する状態から、1つの仕組みに統合できます。
治療院向けポイント設計
金額ベースがおすすめ
整体院・治療院は施術メニューで金額が異なります。保険適用の施術(3割負担で500〜2,000円程度)と自費の施術(3,000〜10,000円程度)が混在する院も多いです。
金額ベース(100円で1ポイント)にすると、自費メニューを選んだ患者さんにより多くのポイントが貯まります。結果として「自費メニューを選ぶインセンティブ」にもなります。
特典設計例
施術の平均単価を5,000円とした場合の設計例です。
来店特典(来院回数ベース): 5回来院で延長施術10分無料。「あと2回で10分延長してもらえる」という動機が、来院間隔の維持に効きます。
ポイント特典(ポイント消費): 20ポイント(約2万円分)で延長施術10分無料、50ポイント(約5万円分)で自費メニュー1回割引、100ポイント(約10万円分)で美容鍼1回。
紹介ポイント: 知り合いを1人紹介で5ポイント。紹介者は「5回分の来院に相当するポイント」を1回の紹介で得られます。紹介の価値が数字で伝わります。
紹介ポイントの効果
改善の実感を得たタイミングで紹介が起きる
整体院・治療院の特徴として、「体の痛みや不調が改善された」という実感が紹介の強力なトリガーになります。「あの整体院で腰痛が楽になったよ」という一言は、広告100回分の価値があります。
ポイント制度があると、この「紹介しよう」と思った瞬間にすぐ行動に移せます。デジタルの紹介リンクをLINEで送るだけ。紙の紹介カードを渡す手間がありません。
紹介経由の患者のリピート率
紹介で来院した患者さんは、「信頼する知り合いが通っている」前提で来ます。広告やホットペッパー経由の新規患者と比べて、初回から治療への信頼度が高く、治療計画への理解も得やすい傾向があります。
ポイントプログラムと紹介プログラムが統合されていると、「紹介経由の患者さんは平均何回来院するか」がデータで確認できます。紹介の価値が定量化されます。
回数券との併用
ポイント制度は回数券を廃止しなくても導入できます。
回数券 + ポイント制度の併用パターン:
回数券の利用1回ごとにポイントも加算します。回数券を使い切った後もポイントが貯まっている状態を作ることで、「回数券が切れたから終わり」ではなく「まだポイントが貯まっているから続けよう」という動機が生まれます。
長期的には、回数券に依存する患者さんの割合を減らし、ポイント制度だけで来院動機が維持される状態を目指します。
導入の流れ
Step 1: 金額ベース(100円=1pt)でポイント設定。
Step 2: 最初の来店特典を5回来院に設定(延長施術10分無料等)。
Step 3: ポイント特典を段階的に設定(20pt、50pt、100pt)。
Step 4: 紹介ポイント(1紹介=5pt)を設定。
Step 5: 受付にQRコードを掲示。来院時にスタッフがスキャン。
Step 6: 1ヶ月後にデータ確認。来院頻度、ポイント交換率、紹介件数の変化を見る。
まとめ
回数券は「先払いの心理的ハードル」「使い切り後の離脱」という構造的な弱点があります。ポイント制度は初回から始められ、通うほど得になる仕組みで、回数券の弱点を補います。
治療院には金額ベース(100円=1pt)が適しており、自費メニューへのインセンティブにもなります。紹介ポイントと組み合わせることで、「改善の実感→紹介→リピート」の好循環が生まれます。
回数券との併用も可能です。段階的にポイント制度に移行することで、リスクを最小限に抑えながらリピート率を改善できます。
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AUTHOR
吉野有翔
FanLoop 代表
「広告に頼らない集客」をテーマに、紹介・口コミを仕組み化するツールFanLoopを開発・運営。配信者と店舗オーナーがファンの力で成長できる仕組みを追求している。