施術の腕には自信がある。患者さんとの関係も良い。「先生のおかげで楽になりました」と言ってもらえる。
……なのに、紹介が来ない。
「うちの院、紹介が少ないのは何でだろう?」
治療院の先生なら一度は考えたことがあると思います。そして多くの場合、こう結論づけてしまう。
「まあ、紹介する人はする。しない人はしない。性格の問題だよね。」
本当にそうでしょうか?
実は、患者さんが紹介してくれない理由のほとんどは「性格」ではなく「仕組みの不在」です。もっと言うと、紹介したくても紹介できない状況を院側が作ってしまっていることが多い。
理由1:紹介プログラムの存在を知らない
これが一番多い。そして一番もったいない。
院側は「紹介カードを置いてるし、たまに声かけもしてるし、知ってるはず」と思っている。でも患者さんは、施術中に身体のことしか考えていません。会計するときは「次いつ来よう」「駐車場の時間大丈夫かな」と考えている。
受付に紹介カードが置いてあっても、視界に入っていない可能性は十分あります。
「知っているはず」は、「知っている」とは限らない。
待合室や施術スペースにPOPを置く。LINE公式で定期的に紹介プログラムの存在を知らせる。この2つだけで「知らなかった」はかなり減ります。
理由2:紹介の「やり方」がわからない
意外と盲点なのがこれ。
患者さんが「知り合いにこの院を紹介したい」と思ったとして、実際にどうすればいいかがわからない。
紹介カードを渡す? 院の電話番号を教える? 「○○の紹介って言ってね」と伝える? ホームページのURLを送る?
曖昧ですよね。しかも治療院の紹介は「身体の悩み」がきっかけ。相手が「腰がつらい」と言った瞬間に、スムーズに紹介できないと機会を逃します。
やり方がシンプルであること。 これは紹介を発生させるうえで、特典の内容と同じくらい重要です。
理想は「LINEでリンクを送るだけ」。これなら5秒で終わります。
理由3:紹介しても「自分には何もない」と思っている
紹介された側だけが割引される——この構造は、紹介する側のモチベーションを確実に下げます。
「知り合いのために手間をかけたのに、自分には何もない」。意識的にそう思うわけじゃない。ただ、わざわざ労力をかけて紹介しようという気持ちが、無意識のうちに湧いてこない。
逆に「紹介すると自分も特典がもらえる」と知っていたら? 知り合いが「身体がつらい」と言ったとき、「あ、紹介しようかな」と思い出す確率が上がります。
紹介者にもメリットがある。この情報が事前に伝わっていることが大事です。
理由4:「紹介=押し付けがましい」というブレーキがかかる
これは心理的なハードルの話です。特に治療院の場合、美容室より深刻です。
「身体がつらいなら、ここ行ってみなよ」は、場合によっては「あなた、身体おかしいんじゃない?」と聞こえてしまう。デリケートな話題だからこそ、紹介する側は慎重になります。
このブレーキを外すには、紹介のトーンを「治療の勧め」ではなく「いい情報のシェア」にするのが効果的です。
「不調を見かけたらどうぞ」よりも、「いつもの感謝を、大切な方にもおすそわけ」の方が、紹介する側の心理的ハードルは低くなります。紹介者が「善意を押し付けている」のではなく「いいものをシェアしている」と感じられるトーンにする。
文言一つで、紹介者が感じるプレッシャーは大きく変わります。
理由5:紹介したあとの「結果」が見えない
紹介した知り合いが実際に来院したのか。特典はちゃんと適用されたのか。自分には何がもらえるのか。
これがまったくフィードバックされないと、「紹介して意味あったのかな」という気持ちになります。次にまた紹介しようとは思わない。
「○○さんのご紹介で、△△さんが来院されました。次回ご来院時に特典をご用意しています」——こんなメッセージがLINEで届いたら、どう感じますか。
「ちゃんと届いたんだ」「感謝されてる」「また誰か紹介しようかな」。
このフィードバックループが、一度の紹介を二度、三度の紹介につなげます。
まとめ:紹介が少ないのは、患者さんのせいじゃない
患者さんが紹介してくれない理由を整理すると:
知らない → 紹介プログラムの存在が伝わっていない
やり方がわからない → 紹介の手順が面倒・不明確
自分にメリットがない → 紹介者への特典がない or 伝わっていない
押し付けがましく感じる → 紹介のトーンが「治療の勧め」寄り
結果が見えない → 紹介後のフィードバックがゼロ
5つとも、患者さんの性格の問題ではなく、院側の仕組みの問題です。
逆に言えば、仕組みで解決できる。紹介プログラムを整えて、導線を作って、フィードバックを返す。それだけで「紹介が少ない」は変わります。
患者さんは、先生の院を紹介したくないわけじゃない。紹介できる状態になっていないだけです。
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