ネイルサロンの5年以内の廃業率は90%以上。
2024年のネイルサロン経営業者の倒産は22件で、コロナ禍の2020年(21件)を超えて過去最多を更新しました。市場規模は1,390億円で前年比16.3%増。市場は拡大しているのに、潰れるサロンが増えている。
帝国データバンクの分析によると、倒産したサロンの多くが資本金100万円未満の小規模店。マンションの一室で開業したものの、競争激化とスタッフ不足で収益を確保できなかったケースが目立ちます。
「ネイルが好きだから開業した」——その情熱は大切です。でも、情熱だけでは5年を生き残れない。生き残る10%は、技術に加えて「集客の仕組み」を持っている。この記事では、その差を数字で可視化します。
開業が失敗する「よくあるパターン」
開業して最初の3ヶ月、多くのサロンオーナーがやることは同じです。ホットペッパービューティーに掲載する。初回クーポンを出す。月3〜5万円の掲載料を払い、3,500円の初回割引でお客様を集める。
最初の月、新規は10人来てくれる。「よし、いけるかも」と思う。
でも3ヶ月目、その10人のうち2回目に来たのは3人。残りの7人は別のサロンの初回クーポンを使っている。新規は毎月10人入るけど、ほとんどリピートしない。
6ヶ月目。毎月の売上は20〜25万円前後で安定する。安定しているように見えるが、固定費20万円+広告費3万円=23万円を引くと、手元に残るのは月2万円。
12ヶ月目。「これ、続けていいのかな」と思い始める。でもホットペッパーを止めたら新規がゼロになる。止められない。これが「広告依存のスパイラル」です。
12ヶ月シミュレーション:広告型 vs 紹介型
一人サロン、客単価6,000円、固定費20万円として比較します。
パターンA(広告依存)の12ヶ月目: 月売上は約25万円で頭打ち。広告費3万円+固定費20万円で、手元に残るのは月2万円。年間の手元利益は約24万円。
パターンB(紹介型)の12ヶ月目: リピーター25人超。月売上は約30〜35万円で、まだ右肩上がり。特典原価5,000円+固定費20万円で、手元に残るのは月10〜15万円。年間の手元利益は約120〜150万円。
差は年間で100万円以上。しかもパターンBは13ヶ月目以降もリピーターが積み上がっていくので、この差はどんどん広がります。
なぜ紹介型は強いのか
①集客コストがほぼゼロ。 紹介特典の原価(オフ代無料=約500円)だけ。月3万円の広告費が不要なので、同じ売上でも利益率が圧倒的に高い。
②リピート率が倍以上。 クーポン経由の3ヶ月リピート率は約27%ですが、紹介経由は60%を超えるケースが多い。友達の推薦で来た人は「安いから」ではなく「信頼して」来ているので、通常料金でもリピートしやすい。
③紹介が紹介を呼ぶ。 紹介で来たお客様がまた別の友達を紹介する。この連鎖が始まると、集客が自走します。広告は蛇口(お金を止めたら止まる)。紹介は井戸(一度掘れば湧き続ける)。
分岐点は「最初の3ヶ月」
シミュレーションの通り、最初の1〜2ヶ月はパターンAのほうが売上は大きい。新規10人 vs 5人だから当然です。でも3ヶ月目に逆転が始まり、6ヶ月後には明確な差がつく。
廃業率90%の業界で生き残る10%に入るための分岐点は、開業から3ヶ月以内に「紹介が回る仕組み」を構築できるかどうか。ここにかかっています。
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